Loading...

経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

デンソーあってのトヨタだ!

デンソーが、今月中にも、自動運転支援システムの実証実験を行います。
国内部品メーカー初です。

運転手がハンドルを握らなくても、
ボタン一つで、車が安全に動き、目的地まで連れていってくれるという、
完全な自動運転が実現するには、時間がかかるどころか、
法整備の必要性などを考えると、現段階では、夢のまた夢の話です。

むしろ、メーカーが自動運転に取り組むのは、
安全技術に寄与するところが大だからです。
実際、自動車メーカーや部品メーカーが取り組む自動運転技術は、
ドライバーの運転支援に応用されています。

例えば、トヨタのプリクラッシュセーフティシステムには、
自動ブレーキによる衝突回避支援や、
ドライバーの顔の向きを検知し、
よそ見や居眠りに対して警報するシステム、操舵回避支援、
そして、追突される前に、ヘッドレストを移動させて、
むち打ち障害の軽減を図るシステムなどが含まれています。

これらを実現するためには、
障害物を検知するためのミリ波レーダをはじめ、
前方の障害物の立体物認識情報を得るためのステレオカメラ、
運転者の顔の向きを撮影する車室内カメラ、
ブレーキやサスペンションのコントロール、画像処理など、
さまざまな技術が必要です。

デンソーは、
ステレオ画像処理ECU(エンジン・コントロール・ユニット)、
走行支援ECU、前方ミリ波レーダ、
プリクラッシュシートベルトECUなどを供給しています。

デンソーが、自ら自動運転支援システムの実証実験をするのは、
それらの技術やシステムについて、自らが磨きをかけるためです。
デンソーのような日本を代表する部品メーカーには、
その役割が期待されているのです。
部品メーカーが強くならなければ、
日本の自動車メーカーは強くならない。
この際、思い切っていいます。
デンソーあってのトヨタ――なんですから。

ページトップへ