「春節」を迎えて、訪日中国人の“爆買い”ぶりが話題になっています。
中国では、政府が毎年、春節にからんで休暇日程を決めるそうですが、
今年は、2月18日から24日までの7日間が休暇期間にあたります。
春節前後の約40日間に、延べ30億人以上が移動するとされ、
日本にも大勢の観光客がやってきます。
観光庁によると、14年の中国人訪日客は、前年比83%増の240万人で
10年前の約4倍に上ったといいます。
また、1人当たりの中国人の旅行消費は、
外国人平均(15万1374円)を大幅に上回る、23万1753円。
このうち、買い物の割合は、およそ6割といいますから、
1人当たり14万円ほどを買い物に費やしていることになります。
大変な買い物パワーですよね。
“ニッパチ”といって、2月と8月は例年、国内消費が停滞します。
なかでも、2月は、消費と観光はメッキリおとろえます。
その穴埋めをしてくれるのが、春節の休暇で日本にやってくる
訪日中国人というわけです。
たとえば、百貨店は、「春節福袋」を用意して、中国人客の取り組みを図っています。
また、ディスカウントストア大手のドン・キホーテは、旅行前の商品予約サイトを
開設して、指定した店舗で商品を受け取れるサービスを提供しています。
旅行客に限られた時間を有効に使ってもらおうという計らいですわね。
訪日旅行客に人気の観光地といえば、かつては浅草が真っ先に浮かんだものですが、
最近は、明治神宮や原宿、お台場、秋葉原など、かなり多様化しています。
中国人訪日客の姿は、どこへいっても、いまや珍しくありません。
大阪でも同じようです。
2月18日付『日経流通新聞』1面には、「中国人 ミナミを呑む」と題して、
大阪ミナミの中心「戎橋」から半径2キロ圏内に、中国人観光客が集まっている
という記事が掲載されていました。
お好み焼き「千房」に中国人40人以上が行列していたとか、
ドラッグストア「マツモトキヨシ」で20代女性が14袋分の商品を買い込んだとか、
景気のいい消費風景がいたるところで繰り広げられている様子をレポートしています。
また、「最近では、おいしい牛肉が食べたいというような1つの目的だけで
来日するような旅慣れた外国人客も目立つようになってきた」とあります。
商店街がにぎわいを取り戻すためには、中国人に限らず、
外国人観光客を取り込むために知恵をしぼる必要がありますね。
最初はツアーで来日した人も、2度目、3度目になれば、
今度は、個人旅行で日本にやってくることでしょう。
そこに、新たなビジネスチャンスが生まれることは間違いありませんからね。
円安が続くかぎり、外国人客が国内消費を下支えする構造は、
当分続くといっていいでしょう。
国内消費の縮小を埋める意味でも、“インバウンド消費”に期待するところは
大といったところでしょう。