第3回国連防災世界会議が、3月14~18日、仙台市で開かれます。
今後10年の世界の防災の戦略を決める国連主催の重要会議が、
仙台市で開催されることは大きな意味があります。
防災に国際的な注目が集まる背景には、05年8月のハリケーン・カトリーナ、
07年11月のバングラディッシュ・サイクロン、13年11月のフィリピン台風
など、世界で巨大災害が起きていることがあります。
気候変動にどう向き合うかだけでなく、開発と防災の関連をどう考えるか、
国際協力の進め方をどうするかなど、課題も広範になっています。
会議には、各国の首脳、閣僚級の人々が仙台入りすると見込まれており、
その数は5万人に達するといわれています。
国連防災世界会議は、第1回が1994年に横浜で、
第2回が2005年に神戸で開催されました。
第3回となる今回もまた、災害大国日本で開催されるわけですね。
仙台市を含む東北各地の経験と教訓を国内外に伝えるとともに、
被災地の復興を世界に発信する貴重な機会といえます。
じつは、仙台市が開催地に決まるまでには、長い道のりがありました。
震災発生から2か月後の2011年5月、仙台市は世界会議の誘致を表明、
その後、宮城県、岩手県、福島県の被災三県などとも連携して、
数々の誘致活動を展開してきました。
仙台市は、今回、民間企業やNPOを巻き込んで、
防災や復興をテーマとしたシンポジウムや展示会などを開催する計画です。
また、各国からの参加者に対する、沿岸部の復興プロジェクトの視察のほか、
東北の観光資源の視察など、多彩な視察プログラムが組まれています。
東北復興では、被災地自らの知恵と構想力で新しい地域づくりを
推進している例がたくさんあります。
この機会に、東北の地域力、コミュニティ力、ボランティア力を
世界に発信することは大きな意味がありますね。
また、防災だけでなく、世界各国からの参加者に、東北の魅力を発信し、
“東北応援団”になってもらうことが、各国それぞれの
今後の開発に役に立つかもしれません。
日本は今後、南海トラフ巨大地震や首都直下地震といった大災害に
直面するだろうといわれています。
防災先進国といわれる日本が、東日本大震災の教訓を踏まえて、
将来の災害にどのように向き合い、どう対策を講じているのか。
世界の注目が集まるなか、日本の発信力に期待がかかっています。
ただし、震災後、改善されていない問題点も残されています。
次なる災害への予防策をどう構築するか。
仙台の防災世界会議は、日本が、世界各国の防災に学び、
防災力を進化させる、またとない機会にもなるのではないでしょうか。