Loading...

経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

“子ども向けタクシー”が花盛り

京王自動車が、小学生向けの送迎タクシーのサービス「はぴチルサポート」を、今日から開始します。首都圏では、タクシーのビジネス利用が減少する一方、子ども向けのタクシーサービスは成長しているようです。

タクシーといえば、高齢者や身体障害者、要介護者などの送迎サービスや、介護保険が適用される介護保険タクシー、妊産婦を対象とするなど、新たなサービスがあります。ビジネス以外の用途の開拓を狙って、多様化が進んでいるんですね。
そのなかで、なぜ、子ども向けのタクシーサービスが伸びているのか。
子どもが一人でタクシーに乗るなんて、一昔前には考えられなかった贅沢ですよね。

じつは、日本交通は、「キッズタクシー」として、11年からサービスを行っています。救急講習を受けた選任運転手が、自宅や学校、学童保育、習い事、塾などへ子どもの送迎をする。
日経新聞電子版の過去記事によれば、この4月には1000件ほどの依頼があり、対応しきれないため、今後、専任運転手を、現在の34人から100人に増やす方針といいます。
このほか、国際自動車やアサヒタクシー、ハッピータクシー、千葉県山武市の乗合タクシーなども、子ども向けのタクシーの運行を行っており、営業エリアを広げるなど、サービスを強化しているといいますね。

今回、京王自動車は、私鉄系のタクシー会社としては初めて、子ども向けのタクシーに参入するわけです。支払いは、現金もしくは口座引き落とし。親が事前にインターネットなどで行き先を登録し、研修を受けた乗務員が担当する。

もともと、京王電鉄は、サービス産業生産性協議会が発表する「顧客満足度」の電鉄部門で上位の常連であり、1位になったこともあります。運輸業以外にも、グループには、スーパーや百貨店、ホテル、レストランなどのサービスがあり、これらを一体化して、沿線価値向上に努めています。沿線住民の評価は高いんですよね。
子ども向けタクシーサービスの開始も、地域密着型のビジネスの延長と考えることができるでしょう。京王沿線は、子育て世帯が多いエリアですから。

共働き世帯の増加に加え、教育熱心な親のもと塾に通う子も増えている。東京都の小学六年生の通塾率は、58%。子どもの送迎ができない家庭などで需要が増えているのでしょうな。塾帰りの夜道は、治安も心配ですからね。
そうなると、子ども用のタクシー需要は、今後も増えていきそうですね。

ページトップへ