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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

ホンダ「シビック」は国内市場を救うか

昨年12月、米国に取材にいった際、ワシントンでホンダ「シビック」の走る姿を目にしました。
同11月に発売されたばかりだった、10代目となる「シビック・セダン」です。「おっ!」と思うようなデザインで、存在感がありましたね。

いいクルマなのに、どうして日本で売らないんだろう、と思ったのを記憶しています。
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※北米カー・オブ・ザ・イヤー2016を受賞した「シビック・セダン」

実際、米国において、「シビック・セダン」は、2016年の北米カーオブザイヤーを受賞しました。
今年8月、ホンダ社長の八郷隆弘さんにインタビューした際、この10代目「シビック」について聞くと、次のように話してくれました。

「新型『シビック』は、開発はアメリカがリーディングしましたが、アメリカの意思を入れつつ、グローバルで通用するよう進化させた。欧州に通じる走りや5ドアなど、ほかの市場にも配慮したクルマです」
まさしく、グローバル戦略車の成功例で、自信作なんですね。
自信作なだけに、やっぱりというべきか、ホンダは「シビック」を、17年に日本へ投入するといわれています。ちなみに、国内の「シビック」は、2010年に販売が終了していますから7年ぶりの登場ですか。

報道によれば、ホンダは、「シビック」の生産を、一部、北米から埼玉県の狭山工場に移管。狭山では、米国市場に輸出する分に加え、日本市場向けにも生産する方針です。

北米の自動車市場は現在、好調ですが、なかでも原油安の影響からSUVやピックアップトラックが売れている。これらの米国での生産が、追い付いていない状況なんですね。
これに対して、国内はといえば、生産能力が余っています。

蛇足ながら、ドナルド・トランプさんの保護貿易主義を見る限り、いま、北米市場の好調に頼っている自動車メーカーにとって、もっとも大きなリスクは、政治リスクなのは間違いなさそうです。「シビック」の国内販売はともかく、北米戦略は波乱含みですよね。

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