昨日(3月8日)の日経新聞に「中低速リニア中国で続々」と題する記事が出ていました。その話題を――。
かれこれ15年も前ですが、2002年末、上海にドイツの技術を使った「高速リニア鉄道」が開通したというので、その数年後でしたか、取材で上海に出かけた折り、乗りました。
区間は、例の新開発地の上海市浦東新区から上海東国際空港まで。距離は30kmほどで、往復しました。“上海トランスラビット”です。
時速400km以上で、確かに速かったですね。「外を見ていると速過ぎて酔いますよ」といわれたのですが、なんだか少し気持ち悪くなったのを記憶しています。ただ、駅やホームの様子は仰々しいものではなく、気楽に乗れる印象でしたよね。乗り心地は、揺れもあまりなかった。たとえるなら、超高速モノレールという感じでした。
日経新聞によりますと、いま、中国でリニア鉄道が注目を集めている。ただし、上海と違って最高時速100km前後の「中低速リニア鉄道」で、約10都市で計画され、建設ラッシュといいます。騒音が小さく、建設コストが地下鉄より安いなどの理由から、渋滞問題が深刻な中国の都市交通で計画が急増しているというんですね。
日本でリニアモーターカーといえば、JR東海が、超電導リニアの「中央新幹線」の建設に着手して、いよいよ建設が始まりましたよね。品川―名古屋間が2027年に開通予定です。そして、45年には大阪まで伸びるという話まで出ていますよね。
最高時速は505km、品川-名古屋は約40分です。まさに「夢の超特急」です。
中国をなめていてはいけません。中国の既存技術のキャッチアップのスピードは、とにかくとてつもないものがありますからね。日本から技術導入した新幹線を、あっという間に自家薬籠中のものにしました。新幹線の高速鉄道網は、いまや営業距離2万キロを突破し世界一としています。
国内の実績を武器に海外輸出を進め、インドやインドネシア、マレーシアなどで日本と受注合戦を繰り広げていますからね。
少なくとも、上海の「高速リニア鉄道」は、すでに10年以上営業しているわけですしね。現に、日本と並ぶ時速600km級の「高速リニア鉄道」の開発も進めていて、狙うのは海外輸出だということです。将来、高速リニア鉄道の輸出においても、日本の強力なライバルであり続けるのは、間違いないでしょうね。