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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

続・東京モーターフェス2018に見る未来のクルマ

今月6日から8日にわたってお台場で開催された、東京モーターフェス2018のレポートの続きです。

今回は、自動運転についてです。

※自動運転車「Milee(マイリー)」の試乗風景

7日と8日、東京都は、実用化に向けた「最先端の自動運転技術」を周知する目的で、レベル4の自動運転車両の試乗会を開催しました。

試乗会に使われた車両は、試乗では日本初となる〝完全自動運転車〟を想定した車両「Milee(マイリー)」と、ミニバンの既存の車両を改造したタイプの2種類です。

車両の製造は、自動運転車に欠かせないといわれる、3次元地図の事業化に取り組む名古屋のアイサンテクノロジーが手掛けました。

「マイリー」は、ヤマハ発動機のゴルフカートをベースに、3Dプリンタでボディを製造した車両です。ハンドルもアクセルもブレーキもないシンプルな外観で、未来型の筐体をイメージさせます。ガイドスタッフが手元のスタートボタンを押すと、会場の夢の大橋に設置されたコースを周回しました。

もう一方のミニバンタイプの車両は、自動車の形状やハンドルなどはそのままですが、運転席にドライバーを乗せずに走行します。

※ミニバンタイプの自動運転車両

ミニバンタイプの自動運転車は、既に愛知県、島根県、東京都内の各地で実証実験が行われており、延べ30回以上、総走行距離7000キロメートル以上の実績があるといいます。

自動運転ソフトウェア「Autoware」や「高精度3次元地図」、「レーザースキャナ」などを搭載することにより、周囲の物体検出、自車位置の推定、走行経路の策定、運転判断といった〝完全自動運転〟の主要な機能を備えています。

ミニバンタイプの試乗車は、走行速度は時速20キロに満たず、固定されたブロック状の障害物を避ける際には遠隔操作を使い、ガイドと通信して左右を確かめながら慎重に走行しました。

〝完全自動運転〟の実用化には、規制の問題、技術的課題などがまだ残されています。しかし、将来的に、必ず実現する技術であるのは間違いありません。そのためにも欠かせないのは、自動運転車を許容する社会をつくることです。

さしあたり自工会は、2020年にはレベル2~4の自動運転車約80台の実証実験を予定している。今回、ハンドルのない「マイリー」や、運転席に人のいないミニバンが、多くの人が集まるお台場の会場を走行したことは、自動運転車の社会的なコンセンサスをつくるための一歩といえるかもしれません。

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