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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

人手不足解消に向け、ロボットの活用法

日本は少子高齢化、労働人口減少の影響から、いま、農業、サービス業、製造業、医療、介護など、あらゆる産業の現場で人手不足ですよね。

以前から何度も指摘してきたことですが、この解決の一助となるのが、IoT、ビッグデータ、AI、また、ロボットといった最先端技術の活用です。

10月17日から21日まで、東京ビッグサイトで、経済産業省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の主催する「ワールドロボットサミット(WRS)2018」が開催されました。競技会、展示会に加え、ステージプログラムなどが行われました。

競技会は、「モノづくり」「サービス」「インフラ・災害対応」「ジュニア」の4カテゴリーがあり、120チーム以上が参加。「サービス」カテゴリーの「フューチャー・コンビニエンスストア・チャレンジ」には、日本のほか、台湾、中国、ドイツから23チームが参戦しました。従業員の負担軽減や、新たなサービスを提供する未来のコンビニの実現を目指します。具体的には、「陳列・廃棄タスク」「接客タスク」「トイレ清掃タスク」の3競技が行われました。


※パナソニックの公開練習(陳列・廃棄タスク)

例えばパナソニックは、フューチャー・コンビニエンスストア・チャレンジに、奈良先端科学技術大学院大学と、立命館大学との共同グループで出場し、接客タスクでは1位を獲得しました。

半導体や家電、自動車といった製造業の現場には、産業用ロボットがかなり普及していますが、第一次産業やサービス業、また介護現場などへの活用は、まだあまり進んでいない。競技会などで、決められたルールにのっとって競争を重ねることで、基礎技術を蓄積し、実践に生かせるロボットへと応用していくことが求められます。

一方、コンビニエンスストアの人手不足解消についていえば、もっとも有効なのは、トイレ掃除や商品の陳列のロボット化より、むしろ会計システムのロボット化や、物流倉庫の効率化かもしれません。「Amazon GO」のシステムや、トライアルカンパニーの無人レジなどは、現状で実現可能なロボットやITの活用例です。人とロボットが、それぞれ得意な分野を担い、相互補完してつくる新しいコンビニの姿を構築し直す必要があります。

ロボットに限りませんが、いま、新たな商品やサービスの開発の際に重要なのは、モノよりコトの創造です。プロダクトアウトではなく、ユーザーの求める体験、コトの実現から逆算して、サービスや商品をつくり出していかなくてはいけない。その意味で、サービス業へのロボットの普及は、まだまだこれからが本番でしょうね。

今月20日に上梓した、拙著『パナソニック、「イノベーション量産」企業に進化する!』では、ユーザー体験から逆算したコトづくりのストーリーや、ローソンとパナソニックの共同プロジェクトであるレジロボの開発ストーリーなどもとりあげています。ぜひ、ご一読ください。

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