ホンダは東京モーターショーで4代目となる新型「フィット」を世界初公開しました。ところが、目玉となるはずだった新型「フィット」は、部品の不具合の連鎖によって、発売が延期されることがわかりました。
※新型「フィット」
「フィット」は2001年6月に初代モデルが発売されて以来、3代目までで750万台以上を販売したホンダの基幹車種です。
「次のホンダのクルマづくりの標準になるモデルです」と、社長の八郷隆弘さんは述べました。
ところが、ご存じのように新型「フィット」は、電動パーキングブレーキ部品の不具合により、発売が予定より遅れているんですね。
問題の部品は、8月に生産を停止している軽ワゴン車「N‐WGN」にも使われています。
「フィット」といえば、14年9月の発売から1年で5回のリコールを出したことが思い出されます。
新型「フィット」は来年2月の発売が発表されましたが、発売の遅れが受注に影響を与えることは避けられません。
5回のリコールのときのように、信頼回復には時間を要することが予想されます。
ましてや、八郷さんのいうように、「次のホンダのクルマづくりの標準となるモデル」が発売前から問題を起こしていては、厳しいコンパクトカー市場で勝ち抜くことはできないでしょう。
来年2月には、トヨタは主力小型車「ヴィッツ」を全面改良した「ヤリス」を市場投入してきます。
それにしても、ホンダは大丈夫なのか。
東京モーターショーのホンダブースを見ても、かつての元気でやんちゃなホンダの姿は伝わってきません。
「6極体制」の名のもとに進められた拡大路線のツケが、いまだにホンダを苦しめているように思えてなりません。