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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

外国人観光客2000万人へ、あの手この手

日本は、観光立国を掲げています。

下世話にいえば、たくさんのお客さんにきてもらい、
ドンドンとお金を使ってもらおうというわけです。

2013年、日本には、
過去最高の1036万人の外国人観光客が訪れました。
確かに、町のなかでも外国人を見かけることは増えましたよね。
日本は現在、ほぼ倍となる、2000万人の外国人観光客誘致を目指しています。

いま、世界は大旅行時代といっていいでしょう。
中国やアジアの新興国を中心に、海外旅行をする人は増える一方です。
なかでも顕著なのが中国人で、あるデータによれば、
今年の中国人の国外旅行者は1億1200万人に達する見込みとか。
ほとんど、日本の人口と同じです。しかも、まだまだ増えるのは間違いない。
日本は、中国にとって、「お隣さん」という地の利があります。
昨年は外国人観光客全体の12.7%にあたる131万人が、中国人でした。

中国人観光客は、豪勢にお金を使うことで有名です。
中国人にきてもらい、お金を使ってもらうため、
各国は、あの手この手で呼び込もうと懸命です。

例えば、ビザ申請の手続きを簡素化したり、ホテルや観光施設で、
料理や新聞、中国語の話せるスタッフの配置などサービスを充実したり、
観光大使に中国人の人気女優を起用したり、
中国でもっとも使われている「銀聯カード」の決済に対応したり……。
新聞にも報道されましたが、パリでは、中国人観光客をスリから守るため、
中国から警官を派遣してもらうという、突飛な案まであった。
世界中が「中国人、いらっしゃい」とキャンペーンをしているのですね。

日本でも、多くの家電量販店や百貨店が、銀聯カードに対応していますし、
駅や空港、タクシーなど、町中で中国語の表記を見る機会も増えました。
その成果かどうか、関西や首都圏の百貨店などでは、
中国人を中心とする外国人観光客に、
日本ブランドの高級化粧品や衣料品が、
飛ぶように売れているといいます。まとめ買いですよ。
三越銀座店では、外国人への売り上げが、店頭販売の1割を超えます。
アジアの人たちですよ。

お金を落としてもらうためには、
外国人が楽しく感じる旅行商品や観光サービスが必要です。
それは、報道されているように、富士山をのぞむ河口湖の旅館で、
カニの食べ放題がアジアの人たちに大うけしているとか、
浅草の元ラブホテルが、外国人バックパッカーにバカ受けしているように、
日本人的な発想からは、かけ離れたところにある場合が少なくない。
まずは、外国人観光客が喜ぶツボを、きちんと押さえることでしょうね。

世界に数ある国のなかから、日本を旅行先に選んできてもらうために、
打つべき手は、まだまだたくさんあるということですよ。

 

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