2015年を日本再生の分岐点とし、飛躍の年にできるかどうか。
カギを握るのは、規制緩和によって最先端技術の活用を促すことです。
政府は13日、「近未来技術実証特区」を設けて、
最先端技術の実証実験を行う計画を明らかにしました。
自動走行車の公道での走行実験、無人飛行機による荷物の配送実験、
インターネットを通じた遠隔医療による在宅診療などを想定しており、
今春をメドに5か所前後を指定する計画です。
自律式走行自動車の公道走行を可能にするには、
「道路交通法 第七十条(安全運転の義務)」、
「道路運送車両法 保安基準 第十条(操縦装置)」の緩和が必要です。
「道路交通法 第七十条」に即していえば、運転者は、確実に車両を操作することが
不可欠となり、それでは自律走行型による自動走行の実験はできません。
これまでも、自動車の自動運転技術の早期確立と公道走行に向けた環境整備は
進められてきたものの、これまで日本の自動車メーカーは、おもにアメリカで
自動走行の実証実験を進めざるを得ませんでした。
じつは、日本の自動運転技術は世界に先んじているといっても過言ではありません。
ITS(高度道路交通システム)の実用化でも、世界のトップランナーです。
ところが、技術をもっていながらも、残念なことに、社会環境が未整備だったために、
自律型自動運転技術の普及には、一歩も二歩も後れをとったといえます。
ロボットにも同じようなことがいえます。
日本は、「ロボット先進国」といわれますが、実際、医療介護現場や製造現場などで、
ロボットを活用するには、電波法、労働安全衛生法など、さまざまな規制緩和と
新たな法体系が必要になります。
無人ヘリによる荷物配送などで、アマゾンやグーグルに後れをとったのは、
規制やルールづくりの未整備が一因です。
世界に目を向けると、つぎつぎと夢のようなアイデアを立ち上げ、
実用化が進められている様子が見てとれます。
たとえば、「スペースX」のイーロン・マスク氏は、再利用可能を目指した
打ち上げロケット「ファルコン9」を開発しています。再利用により、コストがさがれば、民間人の宇宙旅行も夢ではなくなる。
文字通り、夢のようなアイデアが実現真近なのです。
また、ヴァージン・アトランティック社創業者のリチャード・ブランソン氏は、
宇宙空間を飛ぶ新型航空機「スペースプレーン」の開発に乗り出しています。
ジェットエンジンとロケットエンジンを複合させた
高出力のハイブリッドエンジンなどを駆使して宇宙空間まで上昇し、
一時的に地球の重力圏を離脱して飛行します。
近い将来、民間人の宇宙旅行を可能にする乗り物として期待されています。
「特区」に成功例なしといわれていますが、
「近未来技術実証特区」で、どこまで最先端技術を進化させられるか。
期待したいですよね。