20日、代々木上原の書店、幸福書房は、約40年の歴史に幕を閉じました。同日、19時から店主の岩楯幸雄さんのあいさつがあるというので、幸福書房には、作家の林真理子さんをはじめとする多くのファンが訪れ、お客さんで溢れました。
※作家の林真理子さん(左)と幸福書房店主の岩楯幸雄さん
「とても楽しい本屋生活40年でした。悲しいことなんか本当に少なかったんですが、このごろ、仕事を終えて山手通りを自転車で帰っていきますと、途中で急に涙が出てきて、どうしてなんだろう? と思っていました。やはり、みなさんとお別れするのが寂しいんだなと思いました」
と、岩楯さんは話しました。
さらに、「この20日までの数日間は、幸福書房開店以来最高の売り上げでした」と、駆けつけたファンの笑いを誘います。最後は、「この後は、豊島区の椎名町に帰って小さな手づくりのブックカフェを、春温かくなったら、トキワ荘前に開業するので、ぜひ来店してください」と、あいさつを締めました。
幸福書房さんを応援し続けてきた林真理子さんは、隣の喫茶店、さぼうるで、自著のサイン会を開きながら、あいさつに加わりました。
「私の本を売ってくださったというだけではなくて、先ほどサインをしながら、みなさんがここで『初めて子供の本を買った』とか、『毎週来てた』とか、みんなここにいっぱい思い出がありました。本屋さんがなくなることは、私たちが想像している以上の喪失だと思いますが、今はもう、ありがとうございましたとしかいいようがないです」(林さん)
あいさつ後も、さぼうるでサインを続けてらっしゃいました。
※閉店当日の幸福書房の様子
惜しまれつつ、幸福書房は、最後の営業を終えました。