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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

新型EV「アリア」は、日産を救うか

日産自動車は15日、SUV型の新型EV「アリア」を発表しました。世界初の量産EV「リーフ」以来、10年ぶりとなる新しいEVです。新型EV「アリア」は、巨額赤字にあえぐ日産を再建するカギになるでしょうか。

新型「アリア」には、新開発のEV専用プラットフォームが採用されています。「まったく新しいプラットフォームを開発しました」と、日産社長の内田誠氏は述べましたが、起死回生を狙う日産にとって、新型「アリア」への期待は、それだけ大きいといえます。

新型「アリア」の航続距離は、90キロワット時の電池を搭載した二輪駆動タイプで最大610キロメートルです。初代「リーフ」に比べて、ずいぶん伸びた印象ですよね。

また、「5.1秒で時速100キロに加速する」と、内田氏が会見で述べたように、これまでにない乗り心地と運転感覚を実現しています。

「フェアレディZに匹敵する走りです」と、内田氏は語りました。

高速道路の同一車線でハンドルから手を放した状態で運転できる「プロパイロット2.0」のほか、アマゾンの音声サービス「アレクサ」と連動したコネクテッド技術など、最新の機能も搭載されています。

日産は現在、巨額赤字を計上し、業績の立て直しを迫られていますが、再建に向けては、「売れるクルマ」を次々と投入していくことが欠かせません。この7月には、国内にコンパクトSUV「キックス」を投入したばかりですが、独自技術を盛り込んだ新型「アリア」もその一台であることは間違いありません。

日産は今後、18か月で12車種の新型車を投入する計画です。また、2023年度末までにEVまたは「e‐power」を搭載した電動車両の販売を年間100万台とする目標を立てています。

振り返ってみれば、2010年12月、日産は世界に先駆けて、量産EV「リーフ」を発売しました。世界の自動車メーカーはといえば、ここへきて、ようやく量産EVを展開しはじめたといったところですよね。

日産には、EVの先駆者ならではの強みがあるはずです。日産がその強みをどこまで生かすことができるか。

新型「アリア」には、大きな期待がかかっています。

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