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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

サントリーのJT自販機事業買収の狙いは?

サントリー食品インターナショナルは、日本たばこ産業(JT)の自動販売機事業を1500億円で買収します。この買収によって、サントリーはいよいよ、自販機事業でダントツ1位の日本コカ・コーラを追撃する体制に入ったと見ていいのでしょうかね。

ご存知のように、飲料の自販機の稼働台数は、日本コカ・コーラグループが83万台でダントツ1位です。サントリー食品の自販機台数49万台にJTの自販機台数17万台が加わることにより、首位日本コカ・コーラに対する追撃態勢が整ったのは間違いないでしょう。

一般社団法人 日本自動販売機工業会によると、日本全国の飲料自販機の清涼飲料の年間販売金額は、1兆8000億円といいます。

自販機事業は、値引き販売が行われているスーパーやコンビニと違い、値崩れが少ない点がメリットです。サントリー食品が、ここに目をつけ、売り上げ拡大を図ろうと狙ったのは当然でしょうね。

サントリー食品インターナショナルといえば、「伊右衛門」「なっちゃん」「BOSS」「ペプシ」「オランジーナ」などを扱い、グループ全体の売り上げの半分以上を占めるサントリーの主力子会社です。

「2020年にグループの売上高4兆円を目指す」と、サントリーホールティングス会長の佐治信忠さんは明言しています。

この発言は、アメリカのコカ・コーラやペプシコ、「バドワイザー」で知られるベルギーのアンハイザー・ブッシュ・インベブなどを意識したものにほかなりません。ちなみにこれらの企業は、いずれも売上高4兆円を超えています。

今回のJTの自販機事業の買収は、国内だけを見ると、日本コカ・コーラを追撃するための一里塚という見方ができるわけですが、世界を視野に入れるサントリーの狙いは、じつはその先にあるのではないでしょうか。

つまり、JTの自販機事業の買収により、グループの売上高を一気に高めて、世界4兆円企業の仲間入りを果たそうという戦略ではないでしょうか。サントリーの拡大路線からは目を離せそうにありませんね。

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