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経済ジャーナリスト 片山修 | Osamu Katayama Official Website

片山修のずたぶくろⅡ

経済ジャーナリスト 片山修が、
日々目にする種々雑多なメディアのなかから、
気になる話題をピックアップしてコメントします。

「シーテック」、完全オンライン開催での起死回生

10月20日から23日、日本の大イベントの一つ、家電・IT見本市の「シーテック」が完全オンラインで開催されます。20年間の幕張メッセでの開催から、初のオンライン開催に移行。ポストコロナ時代を見据え、デジタル化社会に照準をあてます。果たして、起死回生はなるでしょうか。

※写真は、「CEATEC AWARD2017」に登壇する鹿野清氏

「展示会の変革に向けたファーストステップです」と、シーテック実施協議会エグゼクティブプロデューサーの鹿野清氏は、10月1日に開かれたオンライン会見で述べました。

当初、「シーテック」はリアルとデジタルのハイブリッド型展示会を計画していましたが、急遽、計画を変更、完全オンラインで開催されることになりました。

「中途半端はよくない。完全オンラインで開催することを決意しました」とは、鹿野氏のコメントです。

オンライン開催の最大の課題は、出展者と来場者のコミュニケーションといえます。その点、「シーテック」は、逆にオンラインならではの利点を生かし、3つの試みに取り組みます。

第1に、「コミュニケーションチャット機能」です。チャット機能を使った出展者と来場者の1対1のリアルなコミュニケーション機能です。

第2に、「ブース訪問履歴機能」です。出展者は、自社のブースを訪問した来場者のログデータをリアルタイムで閲覧できるようになりますから、どの展示に人気があるかが一目でわかります。「私個人の考えですが、それによって、もしかしたら、会期中に展示の入れ替えということもあるかもしれません」と、鹿野氏は述べました。

第3に、「シーテックGO」です。来場者のスマホの画面などに次々とランダムに展示のビジュアルがあらわれる仕組みです。

つまり、オンライン開催は、来場者にとっても、出展者にとっても、できることが広がったとみることができます。当初、オンライン開催では、出展者を集められるのかという懸念がありましたが、どうやらその心配はなくなったようですね。

「今回の出展者のうち、45%が新規出展者です」と、鹿野氏は会見で述べています。

じつは、「シーテック」は2000年代はじめこそ、活況を呈していましたが、2014年にはソニーが参加を見送るなど、エレクトロニクス産業の衰退とともに、勢いをなくしていました。オンライン開催は、そうした流れを変えたとみることもできるでしょう。

「シーテック」の完全オンライン開催は、これまでの展示ブース主体の「シーテック」には魅力を感じていなかった出展者を振り向かせるキッカケになると思われます。

また、コロナ禍のデジタル化推進も、「シーテック」にとって起死回生のチャンスです。

ご存じのように、コロナ禍を機に、世界がデジタル化推進に軸足を移しています。遠隔、非対面、非接触の取り組みのほか、テレワークや遠隔医療、遠隔教育、キャッシュレス対応への環境整備、物流のデジタル化など、デジタル変革がさまざまな場面で進められています。

「シーテック」は、コロナ禍を奇貨として生まれ変われるかどうか。その成否は、イベントのあり方を問う試金石ともいっていいでしょう。

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